HBR | フロンティア市場を開拓するには①

2019年2月7日木曜日

ビジネス・経済

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【参照記事】Harvard Business Review:Cracking frontier markets

※英文記事を翻訳しているため、一部日本語が読みづらくなっております。あらかじめご了承ください。

ナリウッドの成功


みなさんはナイジェリアの「ナリウッド(Nollywood)」をご存知でしょうか?

アメリカ映画で有名なハリウッド(Hollywood)になぞらえたもので、他にはインドのボンベイにある「ボリウッド(Bollywood)」が知られています。

では、このナリウッドはどのように誕生したのでしょうか?

誕生の歴史


Kenneth Nnebue はビデオ屋さんの販売員でした。

彼は空のVHSカセットを仕入れて自分の店で売ろうとしました。

ですが、ナイジェリアの人にとって空のカセットは使い道がなく、必要のないということに気が付きました。

そこで彼は、自らの手で作品を作り、それをVHSカセットに録画して売ろうと考えました。

自分で脚本を書き、プロデューサーやディレクターを発掘し、俳優や女優を雇ったのです。

そうして彼は、1992年、魔法を使い財産を復活させようとする落ちぶれたサラリーマンを題材にした2部構成のスリラーをVHSテープで発表しました。

それが"Living in Bondage"です。

当時、ナイジェリアには映画館はありませんでした。

そのため、12,000ドルという低予算で作られたこの映画は、アフリカ全土で何十万ものコピーを売り上げました。

こうして、新興の映画産業である「ナリウッド」は名を馳せていくのです。

Kenneth Nnebue は今では「ナリウッドの父」と言われているのです。

【参考】Ken Nnebue: Father of Nolllywood

ナリウッドの今


25年前とは異なり、今では年間1500本もの映画を制作しています。

ナリウッドには100万人以上ものナイジェリア人の雇用があり、市場価値は33億ドルに昇ると考えられています。

また映画の制作量では、ハリウッドやボリウッドにも匹敵しています。

銀行や金融機関はこの国産映画産業に注目しており、いくつかの金融機関には「フィルムディスク」といわれる映画制作に投資するシステムがあります。

ある推定によれば、ナイジェリアには50以上もの映画学校があります。

政府は、映画制作者を育て、また新しい映画制作に資金を供給するための基金を立ち上げました。

さらに、海賊版の販売や著作権保護の重要性についても深刻に考えています。

2018年にはニューヨークとトロントでナリウッド映画祭が開催され、Netflixは初めてナリウッド映画「ライオンハート」の放映権を獲得しました。

なぜ成功できたのか?


VHSカセットを売ろうとした販売員によるわずかな投資が、どのようにして数十億ドル規模の産業を台頭させたのでしょうか?

ナイジェリアでは全世帯の35%未満にしか電気が供給されず、また20%の家庭にしかテレビはありませんでした。

ナリウッドの成功は単なる偶然だったのでしょうか?

そんなことはありません。

ナリウッドは、誰も思いつかないような全く新しい市場を創造することによって、大きな成長を実現できた例の一つです。

ブラジルやロシア、インドや中国といった新興市場の大手企業が低迷している中で、投資家や起業家、多国籍企業はこれらの国とは別の第三国に目を向けています。

今ではナイジェリアやパキスタン、ボツワナなどのいわゆるフロンティア経済(frontier economies)に大きな関心が寄せられているのです(もちろん不安も大きいのですが)。

極度の貧困に陥り、またインフラや制度が不十分な経済において、どのように成長の機会を見い出すことができるのでしょうか。

そういった経済では市場規模や顧客の支払い能力といったデータもほとんど存在しないのに。

よく見落とすのは、他の人が成功していないのに、なぜある人は成功できたのかを説明する理論の確立です。

筆者はその理由をイノベーションの力、具体的には「市場創造イノベーション(market-creating innovation)」であると分析しています。

このイノベーションは、企業にとって新たな成長を生み出すだけでなく、フロンティア経済を活気づけ、包括的で持続可能な開発を促進する産業を育成するのです。
1.近年では中国やインドよりも、ナイジェリアやパキスタンに注目
⇒ フロンティア経済(経済成長率が高く、若者の人口比率が高い)
2.フロンティア経済で成功するには ⇒ 市場創造イノベーション


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