データ保護において最も大事である本人認証は、近年さまざまな変化を遂げています。
最も基本的な本人認証は、パスワードによる保護です。
みなさんも携帯電話やパソコンにロックをかけているでしょう。
ですが、現在は総当たり攻撃と言い、a~z、A~Z、1~9までの文字や数字を何万通りも組み合わせてパスワードを推測する手口が横行しています。
そこで、パスワードだけではセキュリティに不安がある人が用いるのは生体認証です。
具体的には、顔認証、指紋認証、静脈認証、声認証、虹彩認証など色々あります。
今回は、顔認証に焦点を当てて、紹介していきます!
顔認証の基本技術
顔認証は大きく「顔検出」と「顔照合」の2つの処理に分かれます。
「顔検出」処理では、まず画像の中から顔の部分を特定します。
次に目や鼻、口など顔の特徴的な位置を判別します。
そして、これらの位置を用いて顔部分の位置や大きさを確定させたのち、「顔照合」処理を行います。
「顔照合」処理とは、同一人物か判定するための処理を指します。

(出典:NEC「顔認証とは」)
顔認証の精度
生体認証として重視されるのが、認証の精度です。
最近ますます精度が上がってきており、NECの技術では認証率が99%以上を誇るなど、実生活場面に応用できる数値となっています。
顔認証の良さ
✔ 自然な認証
顔は、普段から人間が相手を判別する手段として利用しています。そのため、我々にとって身近な認証方式であり、心理的負担が少ないのが特徴です。
✔ 非接触&非拘束
例えば指紋認証では、指をパッドにかざす操作が必要であり、衛生面や心理面からみても利用者は抵抗を感じます。
ですが、顔認証はその場で立っているだけで認証されるため、特別な操作が必要なく利便性に優れた方法となっています。
✔ 高い不正抑止効果
顔認証の時に撮影した画像を「顔画像ログ」として残し、後から人間が目視確認することでき、高い不正抑止効果があります。
✔ 専用装置が不要
特別なカメラを購入しなくても、市販のWebカメラも利用可能できます。既存の顔写真を照合時のデータとしても活用できるため、専用な設備の導入が必要ありません。
(参考:NEC「顔認証とは」)
顔認証の活用シーン

顔認証は私たちの身近な場面で利用されています。
たとえば、海外旅行から帰ってきたとき、国内の主要国際空港では入国審査ゲートに顔認証が用いられています。
他にも、USJの入場ゲートでは、年間パスの本人確認方法として顔認証が導入されています。
利用者の抵抗が少ない顔認証は様々なシーンで活用されていることがわかります。
顔認証でトップの会社は?
各社が顔認証技術の研鑽でしのぎを削っていますが、世界No.1技術はNECであるというのが業界人の常識だそうです。
ですが、近年はパナソニックが怒涛の追い上げを図っています。
たとえば、法務省は空港の入国管理ゲートにパナソニックの技術を採用しました。
もちろんこのコンペにはNECも参加していましたが、パナソニックに敗れる結果となってしまいました。
ですが、NECの顔認証技術は2025年の大阪万博や東京五輪の入退室管理システムに導入が決まっており、また世界各国の治安維持システムにもNECの技術が活用されています。
そのため、NECはまだまだ不動の地位を築いているといえるでしょう。
NECとパナソニックの戦いについてはこの記事を参考にしてみてください。
中国における治安維持システムとしての顔認証
少し話がそれます。
現在世界各国では治安維持システムに顔認証技術が用いられています。
その象徴ともいえるのが中国です。
中国では近年監視カメラの設置台数が急激に増加し、市民を政府が常に監視していると一部批判もあがっています。
たとえば中国政府は商湯科技(sensetime)という企業に出資しています。
この会社はAIや顔認証など幅広く技術の開発を行う会社であり、ホンダ自動車の自動運転技術開発のパートナーとなっています。
このSensetimeは公共施設での監視カメラシステム(顔認証技術)も開発しており、中国政府との繋がりも深いと一部では噂されています。
このように、治安維持において顔認証が用いられており、その一方で、国民のプライバシーを侵害しているとの指摘もあります。
さいごに
顔認証は現代社会において広く活用されていると述べてきました。
技術の制度が上がり良いことばかりのように思えますが、まだまだ問題も残っています
もし、顔情報を保存しているデータベースがサイバー攻撃にあえば、重要な個人情報が流出しかねません。
また、企業が顔情報という個人情報を必要以上に収集・保存するのはどうなのかと批判も挙がっています。
生体認証は本人確認に非常に有効な技術ではありますが、その一方で本人を特定する情報を扱うことになります。
これからは、データ保護やプライバシー保護の観点も考慮しながら、技術の活用を模索していくことがますます重要になっていくでしょう。
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